2007年02月05日
_ 専門用語、日本語、英語
関数空間上の写像のことを英語でoperatorと呼び、数学ではこれは普通「作用素」と訳します。 で物理ではこれは「演算子」と呼びます。同じ意味の英単語が分野で別の日本語が 割当てられてしまっているわけです。
逆の現象もあって幾何学にはbundleとよばれるものがあります(通常は頭に何か付けて fiber-bundleとかvector-bandleというように使われます)。 多様体(曲面や曲線の一般化)上にのっかるある種の構造のことです。 で、これは日本語では「束」と呼ばれます。ファイバー束 とかベクトル束などという用語もあります。 で、計算機方面でlatticeというものがありまして、これも「束」と呼ばれます。 こちらはある条件を満たす半順序集合のことで、まったく別のものです。 別の英語に同じ日本語が割当てられてしまっています。
別の話でlatticeという単語には「座標が整数になる点全体」くらいの 別の意味があります。こちらは日本語では「格子」と呼ばれます。 そういう点は「格子点」です。
別に結論があるわけではありませんが 専門外の分野を覗いているとこういう点でひっかかったりしますねえ、ということで。
2007年02月11日
_ SDL off 2007
東京まで行ってきました。
ゲーム作りに情熱を燃やす人がいてしかもちゃんと完成させていて すばらしいなあ、と思いました。私もコードを書く気力が湧いてきましたよ。
行ってよかったです。
2007年02月18日
_ FontList_RB
Rubyでシステム上のTTFフォントファイルを列挙するライブラリ。 Windowsとfontconfigに対応しているのでそこそこ実用的でしょう。 元々はRuby/SDLの新機能のつもりで作っていたのですが SDL関係ないので別に分けています。コンパイルが必要ないので 使いやすいと思います。
Ruby/SDL 1.3.0の準備も進めています。
2007年02月19日
_ 数学における圏論
「便利な用語集」てなくらいです。集合論も似たような所があるのですが、 濃度、選択公理、Zornの補題といった話は各分野で問題を起こすので重要です。
数学を大学のカリキュラムに従って勉強すると圏論の話が最初に出てくるのは 代数的位相幾何の所だと思うのですがそこでの扱いはまさにそんな感じ。
代数幾何までいくと違ってくるらしいのですがそこまでは わからんです。
2007年02月20日
_ Mercurial on Windows
ウインドウズ用インストーラでインストールすればコマンドラインで使えるようになります。 で、Puttyのツール群をインストールして(plink.exeを使います)パスを通し、 コマンドラインの-e オプションにplinkを指定するとSSH経由のアクセスも できるようになります。pagentを使えばパスフレーズを入力する必要もありません。 CygwinがなくともLinux等と同等に動かせます。コミットログの エンコード変換も実装されましたし人に勧めるには問題がなくなってきましたね。
2007年02月22日
_ wxRuby2のコンパイルメモ
DebianでwxRuby2をコンパイルするためには アーカイブの中のrake/rakelinux.rbを編集して、 「$link_wx_statically = true」を「$link_wx_statically = false」に変更する 必要があります。wxWidgetsのライブラリをaptで入れるとstatic link用の ライブラリはインストールされないためです。
_ wxRuby2
今の時点ではちょっと不安定、あと一年たてば安定してくるでしょうか。
2007年02月27日
_ Debian GNU/Linuxで無線LAN
無線LANのPCカード(IO DATAのWN-G54/CBL)を買ってきて、 Debianで使えるようにしました。以下その設定についてメモを書いておきます。
要件
Debianで無線LANを使う。自宅、職場、ホットスポット、と複数の 場所で利用したい(複数の場所での設定を持っておいてそれを切り替えたい)。
問題点
- どの無線LANを買うべきか
- 無線を使えるようにするにはどのソフトをインストールすべきか
- どのように設定すれば良いか
環境
Debian, testing. kernelは2.6.18。
どの無線を買うべきか
<URL:http://kmuto.jp/open.cgi?%CC%B5%C0%FELAN%C6%B0%BA%EE%BE%F5%B6%B7> などを 参考にしましょう。
どのソフトをインストールすべきか
まず、無線機器に対応したドライバをインストールする必要があります。 WN-G54/CBLの場合はmadwifiを使います。パッケージにはソースしか ありませんので <URL:http://debian.fam.cx/index.php?Software%2FLinuxKernel#ExternalKernelModule> などを見てカーネルモジュールのコンパイルをし、インストールしてください。
また、PCカードを使う場合はpcmciautilsが必要となります。 その他、wireless-toolsをインストールする必要があります。 「複数の場所での設定を持っておいてそれを切り替える」ためのツールは 複数あるようですが、現時点ではwpasupplicantを使うのが良いようです。
設定
こでは自宅と職場の2箇所で利用する場合を例とします。 とりあえずこの2つに名前を付ける必要があるので、一方をhomeもう一方を officeとします。
基本的に編集すべきファイルは2つで、一方は /etc/network/interfaces、もう一方は /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf です。
まず、デバイスを接続し、それがOSに検出されているかどうかを確認します。 私の場合、ifconfigでwifi0とath0という2つのデバイスが見えました。
次に/etc/network/interfacesを編集します。家と職場ではどちらも DHCPでIPアドレスを取るものとします。
iface ath0 inet manual wpa-driver wext wpa-roam /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf iface home inet dhcp iface office inet dhcp
homeとofficeという名前はここで使います。
最後に、 /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf を編集します。 家の無線ネットワークの(E)SSIDがwest、職場の無線 ネットワークの(E)SSIDはeastであるとします。 家のはWPA-PSKを、職場ではWEPを使うものとします。
その場合、/etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.confにその2つの 設定を列挙しておくと、SSIDによって自動的にどちらを使うべきか
wpa_supplicantが決定してくれます。 network={ ssid="west" proto=WPA key_mgmt=WPA-PSK pairwise=CCMP TKIP group=CCMP TKIP psk="secret pre-shared key" id_str="home" } network={ ssid="east" key_mgmt=NONE wep_key0="-KEY-" wep_tx_keyidx=0 id_str="office" }
このあたりはwpa_supplicantのドキュメントを読んで設定してください。 id_strはDebian特有の機構で、IPアドレスなどの設定はid_strと対応する /etc/network/interfaces の項が参照されます。ここでは両方 dhcpを使うようにしてありますが、固定でIPアドレスを割り振ることも できます。
その他
周辺の無線ネットワークを探すには
iwlist ath0 scan
とします。
network-managerというGUIで無線が設定できるツールがあるらしいです。
参考資料
wpasupplicant をインストールすると /usr/share/doc/wpasupplicant/ 以下にドキュメントが置かれます。 これらは非常に参考になるでしょう。とりあえずREADME.modes.gzの 「Mode #2: Roaming Mode」が重要です。
あとは上で挙げた
が無線購入とドライバ選択の参考になります。
最後に
なにか間違い等あったらつっこんでください。